CHA₂DS₂-VASc Score
Estimate annual stroke risk in atrial fibrillation (AF) using the CHA₂DS₂-VASc score. Guide anticoagulation decisions and assess perioperative thromboembolism risk based on ESC 2020 guidelines.
Based on: ESC 2020
入力
臨床推論
76歳女性、高血圧・心不全あり。脳卒中既往・糖尿病・血管疾患なし。
抗凝固療法を開始すべきか?
67歳男性、AF新規診断。高血圧・糖尿病・脳卒中歴・血管疾患・心不全なし。
抗凝固療法を開始すべきか?
概要
AF患者を診て「この人、抗凝固薬は必要だろうか」と迷ったとき、まずこのスコアで整理する。リスク因子を入力するだけで、年間脳卒中リスクと抗凝固療法の目安が確認できる。
エビデンスサマリー
CHA₂DS₂-VASc スコアは Lip ら(2010年)が CHADS₂ スコアを改良して開発したもので、血管疾患・年齢65〜74歳・女性性別の3因子を追加したリスク修飾子を含む。非弁膜症性 AF における脳卒中リスクを層別化し、抗凝固療法の意思決定を支援する。
ESC 2020 AF ガイドラインでは、男性でスコア ≥ 2、女性でスコア ≥ 3(実質スコア ≥ 2)の場合に抗凝固療法を推奨している。女性であること単独(女性でスコア1)は独立した脳卒中リスクを付与せず、抗凝固療法の適応とならない。
| 男性 | 女性 | |
|---|---|---|
| 低リスク(抗凝固不要) | スコア 0 | スコア 1(女性のみ、実質 0) |
| 抗凝固療法を検討 | スコア 1 | スコア 2(実質 1) |
| 抗凝固療法を推奨 | スコア ≥ 2 | スコア ≥ 3(実質 ≥ 2) |
このスコアが答える問いと、答えない問い
CHA₂DS₂-VASc が答えるのは「脳卒中リスクが抗凝固療法を正当化するか」という問い。抗凝固薬が安全かどうかは別の問いであり、HAS-BLED で出血リスクを並行評価して初めて揃う。実質スコア1の中等度リスクでは自動的に処方するのではなく、個別の利益・リスク比較が必要。高スコアは抗凝固療法の根拠であって、処方の自動的な指示ではない。