Postoperative Pulmonary Risk (ARISCAT)
Estimate risk of postoperative pulmonary complications (PPCs) using the ARISCAT score. Stratify patients into low, intermediate, and high risk before elective surgery to guide prehabilitation and monitoring.
Based on: ESA 2017 · ERS-ESTS
入力
呼吸器疾患がある場合は、酸素化評価・ABG 解釈と組み合わせてください。
概要
術後に肺炎・無気肺・呼吸不全が起きやすい患者を、術前に把握したい—ARISCATはそのためのスコアです。年齢・術前SpO2・最近の呼吸器感染・貧血・手術部位・手術時間・緊急性の7因子からPPCリスクを算出し、低(1.6%)・中等度(13.3%)・高(42.1%)の3段階に分類します。スコアを出して終わりではなく、術前の呼吸最適化・麻酔方法の選択・術後集中管理の計画につなげることが目的です。
エビデンスサマリー
ARISCATは2010年のスペイン多施設前向きコホート研究から導出・検証されたスコアです。2015年のEUCOS試験ではヨーロッパの実臨床データでも有効性が確認されており、国際的に広く使用されています。欧米データに基づくため患者背景や医療環境が大きく異なる場面への適用は慎重に行ってください。
高リスク例には術前呼吸理学療法の計画を、中等度以上には術後モニタリング強化やICU計画を検討する根拠になります。RCRIと組み合わせることで、心肺両リスクを包括的に評価できます。スコアはあくまで確率の参考値—患者の全体像と合わせた臨床判断が前提です。
介入で変えられる
術前呼吸理学療法が高リスク患者のPPC発症を実際に減らすというエビデンスが蓄積されています(Lancet Respiratory Medicine 2020年系統的レビューほか)。スコアが高い患者こそ、積極的な術前介入の恩恵を受けやすいと考えられています。