虚血性心疾患と術前評価:PCI 後の患者を中心に

冠動脈疾患・PCI 既往がある患者の術前心臓評価と、抗血小板薬管理の基本的な考え方を整理します。

要点まとめ

  • PCI 後の患者では、ステントの種類・留置時期・DAPT の状況を確認してから手術の時期を決める。
  • 抗血小板薬の中断・継続は循環器科との共同判断。独断で変更せず、早めに連絡を取る。
  • 「症状がない」「時間が経った」は「安全」と同義ではない。客観的な心機能評価を確認する。

このページを使う場面

PCI 既往のある患者の術前評価で、抗血小板薬の扱いに迷ったとき。IHD 既往が RCRI にどう影響するか確認したいとき。

ステント種類と留置時期が、手術を進めるタイミングを左右する

結論

PCI 後の患者では、ステントの種類と留置時期を確認し、DAPT の管理方針を循環器科と共同で決定してから手術を進める。

DES(薬剤溶出性ステント)留置後は少なくとも1年間の DAPT が推奨される。待機手術では、抗血小板薬の中断・継続の判断が、手術の時期と安全性に直結する。「症状がない」「DES から3年経過」という情報だけで安全性を判断しないことが重要。

  • ① ステント種類(BMS / DES)と留置時期を確認する
  • ② 現在の抗血小板薬の内服状況(単剤 vs DAPT)を確認する
  • ③ 循環器科主治医に連絡し、抗血小板薬の管理方針を共同で決定する

IHD 既往があれば RCRI を確認し、リスクスコアを周術期管理に反映する

結論

虚血性心疾患の既往は RCRI の1因子。スコアを算出し、リスク区分を周術期モニタリング計画に反映させる。

RCRI(修正心臓リスク指標)の因子の一つに「虚血性心疾患」が含まれる。PCI 既往・心筋梗塞既往・安定狭心症はこれに該当し、スコアに加算される。スコアが高いほど、術後の心臓イベントリスクが上昇する。リスクスコアを算出することで、周術期モニタリングの強度を計画できる。

  • ① RCRI 因子を確認し、スコアを算出する
  • ② 最後の心機能評価(心エコー・負荷試験)の時期と結果を確認する
  • ③ リスク区分に応じて、術後のトロポニン測定・心電図モニタリングを計画する

この判断の根拠

ACC/AHA 2014 Guideline on Perioperative Cardiovascular Evaluation(antiplatelet therapy management section)/ JCS 2022「非心臓手術における合併心疾患の評価と管理に関するガイドライン」

RCRI スコアを単独で算出したい場合

実際に使う

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