呼吸器
周術期呼吸評価
SpO₂ が低い。PaCO₂ が高い。患者に肺炎がある。手術前にどこまで評価するか——呼吸評価の答えは1つではない。リスク・酸素化・換気・肺炎重症度、それぞれ問いが異なれば、ツールも変わる。
リスク評価酸素化換気・ABG肺炎重症度PONV
ツールを選ぶ
リスク評価
ARISCAT
術後肺合併症リスクを数字で出し、患者を層別化する
いつ使うか
- •「なんとなく心配」を根拠ある数字に変えたいとき
- •ハイリスク患者をスクリーニングして術前準備を組み立てたいとき
主な入力
年齢SpO₂最近の呼吸器感染貧血(Hb ≤10 g/dL)手術部位手術時間緊急手術
結果
- •リスク分類(低・中・高)
- •フェーズ別管理プラン(術前・術中・術後)
- •臨床推論マップ
酸素化
術前酸素化評価
SpO₂・PaO₂ が、この患者の年齢で許容範囲かどうかを判定する
いつ使うか
- •SpO₂ が低め — 年齢相応か、本当に問題か?
- •PaO₂ が年齢相応かどうか確認したいとき
- •ABG を取るべきか判断に迷うとき
主な入力
年齢SpO₂PaO₂(任意)FiO₂(任意)
結果
- •期待 PaO₂
- •酸素化ステータス
- •臨床解釈
PE リスク
Wells スコア(PE)
D-ダイマーか CT-PA か——検査前確率を出してから判断する
いつ使うか
- •PE が疑われる——D-ダイマーで除外できる? それとも CT-PA が必要?
- •画像検査をオーダーする前に、検査前確率を数字で整理したいとき
主な入力
DVT の臨床所見PE が他診断より可能性高い(臨床判断)心拍数 >100最近の安静・手術DVT/PE 既往血痰悪性疾患
結果
- •Wellsスコアと検査前PE確率
- •リスク分類(低・中・高)
- •D-ダイマーまたはCT-PAの推奨
換気・ABG
Room Air ABG 解釈
ABG の数字を、周術期リスクの文脈で読む
いつ使うか
- •PaCO₂ 高値 — 慢性 CO₂ 貯留か、急性変化か
- •HCO₃⁻ 上昇 — 呼吸性代償か、代謝性か
- •術後の低換気リスクを術前に評価したい
主な入力
年齢PaO₂PaCO₂HCO₃⁻pH
結果
- •酸素化評価
- •換気評価
- •代償パターン
- •周術期懸念事項
肺炎重症度
CURB-65 肺炎重症度評価
重症度を見積もり、外来・入院・緊急対応のどこに置くべきか判断する
いつ使うか
- •市中肺炎が疑われる・診断された——この患者はどのくらい危ないか?
- •手術前後に肺炎がある——どこまで評価が必要か?
- •迷うケース——今すぐ管理を強化すべきか?
主な入力
意識障害尿素 > 7 mmol/L(またはBUN高値)呼吸数 ≥ 30回/分SBP < 90 または DBP ≤ 60 mmHg65歳以上
結果
- •CURB-65 スコア(0〜5点)
- •重症度カテゴリと30日死亡率(近似)
- •管理の方向性(外来・入院・緊急)
PONV
PONV リスク・管理
術後悪心嘔吐リスクを層別化し、多機序予防プロトコルを組み立てる
いつ使うか
- •術前計画——この患者に制吐薬は必要か? 何剤必要か?
- •予防投与後にPONVが発生——同じ機序を避けた救済薬は何か?
主な入力
性別喫煙歴PONV・乗り物酔いの既往術後オピオイド使用予定
結果
- •Apfelスコア(0〜4点)と発症率推定
- •リスク分類(低・中・高)
- •多剤予防戦略(機序別)
- •救済治療の指針