僧帽弁逆流——まず一次性か二次性かを見極める
一次性MRと二次性MRは、診断段階から使う閾値も、介入の考え方も別物だ。同じツールに流し込めない。このハブはその区別から始まる。
一次性MR(弁構造異常)
MVP・フレイルリーフレット・リウマチ性——弁そのものが病変
一次性MR 重症度評価
EROA・逆流量・逆流分数・Vena contracta を統合して重症度を分類する。一致型重症・軽度乖離・不一致の3パターンを整理し、LV機能と症状からステージ(C1/C2/D)を決定する。
一次性MR 介入ナビゲーター
ACC/AHA VHD 2020 に基づき、MV 修復 vs 置換の適応クラスと外科的タイミングを整理する。
二次性MR(機能性MR)
二次性MRは心室または心房のリモデリング疾患です。重症度評価が最初のステップ。介入判断は症状・LVサイズ/機能・肺高血圧・心不全治療の文脈で行います。
二次性MR 重症度評価
ACC/AHA 2020 では二次性MRの定量重症基準は一次性MRと同じ重症域だが、臨床的解釈はまったく異なる。左室機能・症状・肺高血圧・GDMT 反応という文脈から重症度を評価する専用ツール。
二次性MR 介入ナビゲーター
二次性MRの介入判断は複雑——心不全管理・LV リモデリング・弁膜症治療の交差点で決まる。
学習・症例 — 一次性MR
学習 — 二次性MR
症例 — 二次性MR
なぜ最初に分類するのか
一次性と二次性は、同じ基準でも意味が違う
ACC/AHA 2020 では、二次性MRの重症定量基準は一次性MRと同じ重症域(EROA ≥ 0.40 cm²)として扱われる。ただし、二次性MRでは同じ EROA 値でも左室機能・症状・GDMT 反応の文脈によって臨床的意味が大きく異なる。数字だけで判断しないことが重要。
一次性は弁修復、二次性は心不全管理が先
一次性では弁そのものを直す(修復または置換)。二次性では「なぜ逆流しているか」——LVの機能不全や虚血——を先に治療する。同じ「MR手術」でも意味が根本的に異なる。
周術期麻酔科医にとっての実際的な意味
術前エコーで MR を見たとき、まず一次性か二次性かを判断する。一次性の moderate-severe MR なら術前心臓チームへの情報提供が必要。二次性なら LV 機能がより重要な監視対象になる。